筋肉の痛みを取ったり、柔軟性を向上させたりする為に、「筋膜リリース」は効果的とされていますが、闇雲に筋膜リリースをしただけではむしろ痛みが増加してしまう場合もあります。
今回は、効率的に筋肉の痛みをとったり柔軟性を向上する為の筋膜リリースの圧の掛け方について紹介していきます。
- 筋膜とは何かが分かる
- 筋膜リリースの目的が分かる
- 筋膜リリースの効果的な圧の掛け方が分かる
筋膜とは
筋膜とは、筋肉の周りを覆っている膜のことです。
筋肉が筋繊維と呼ばれる細い筋肉の束である事は有名ですが、これら筋繊維をまとめてくれているのが筋膜です。
また、筋肉は1つの束では無く複数の筋繊維の束で出来ています。それら1つひとつの束をまとめているのも筋膜です。
筋膜には以下のように様々な役割があり、全身に張り巡らされています。
- 体の組織(筋繊維、血管、神経など)を保護している
- 体の組織(筋繊維、血管、神経など)を支えている
- 筋肉を構成している束の滑りを良くし、筋肉が動きやすくしている
筋膜は体の組織を支えている事から、「第二の骨格」とも呼ばれています。
筋膜リリースとは
筋膜は筋肉の動きを良くする事に貢献していますが、なんらかの理由で筋膜同士がくっついてしまうこと(癒着)があります。
筋膜の癒着が起きると、筋肉を収縮する時に癒着している部分が引っ張られ、痛みやコリが発生すると考えられており、この癒着を剥がすために行うのが筋膜リリースです。
また、筋膜リリースは筋肉の柔軟性を向上させるとも言われています。柔軟性が上がれば関節の可動域も広がり、より効率の良いトレーニングを行うことが出来るようになります。ですので、「筋肉の痛みを感じていない」という方でも関節が硬い人は筋膜リリースを行うといい場合もあるでしょう。
筋膜リリースの圧の目安
「痛気持ちいい」くらいが適切とされています。
よく、「ゴリゴリする方が効果がありそうだから」という理由で強い痛みが出るまで圧をかける方をみかけます。しかし、これはあまりいい事とは言えません。
例えば、タンスに小指をぶつけた時、体はどの様な反応をするでしょうか。おそらく小指を手で押さえながら「痛ってー」と言って体全体に力が入りませんか?
それと同じで、
「痛い」と感じるまで圧をかける
↓
対象の筋肉に力が入り、筋肉が収縮する
↓
上手く筋膜が剥がれない
といった事が考えられます。
また、皮膚の下には筋膜や筋肉だけではなく、神経や血管がたくさん通っています。強い圧をかけすぎるという事は、神経や血管を傷つけてしまう事にも繋がります。
いわゆる「揉み返し」が起きてしまえば、十分なトレーニングもできなくなってしまいますよね。
せっかく体のコンディションを整える行為をしているのに、本末転倒です。
まとめ
筋膜リリースは、筋膜の癒着によるコリを解消するために有効な手段で、筋肉の柔軟性向上にもつながります。柔軟性が上がれば関節の可動域が広がり、効率的なトレーニングにもつながるでしょう。
しかし、闇雲に筋膜リリースをしてしまうと上手く筋膜の癒着をはがすことが出来ないばかりか、神経や血管などの組織を傷つけてしまう可能性も高くなります。
なので、筋膜リリースを行うときには「痛気持ちいい」くらいの圧をかけるように意識すると良いでしょう!