トレーニングをしていると、食事について考える時間が増えます。この食材はこの栄養素が多いなぁという思考や、各栄養素(五大栄養素)の働きなんかもある程度身についてきます。
それぞれの食材が持つ栄養素、各栄養素の働きや特徴が身についてくると、普段の食生活で健康的な食事が再現しやすくなってきます。また、ダイエットをしている時にも余計なカロリーを抑える事に役に立ちます。
ただ、最初はどの食材にどんな栄養素が入っているのか?どの栄養素がどんな働きや特徴を持っているのか?ということを理解するのに少し時間がかかります。
そこで今回は、健康な食事をしたいけど何を食べれば良いのか分からない!という方や、これからダイエットをしたいと考えているけど、栄養のことは何も知らない!という方に向けて、食品カテゴリーマップというツールを使いながらどんな食材にどんな栄養素が多く含まれているのか?どの栄養素にどんな働きがあるのか?などについて解説していきます。
- どんな食材にどんな栄養素が多く含まれているのかが分かる。
- それぞれの栄養素の特徴が分かる。
- 健康的な食生活の為に、どんな食材を食べればいいのかが分かる。
食品カテゴリーマップとは
一般社団法人栄養コンシェルジュ協会が作っているツールです。
各食材を主成分(多く含まれる栄養素)ごとに7つのカテゴリー(カテゴリー1~カテゴリー7)に分けてくれていて、例えるなら列車の路線図のようなものです。
路線図を見れば、どの列車に乗るとどの駅に行けるのかが分かるように、栄養カテゴリーマップを見れば、どの食材を食べればどの栄養素が摂れるのかが分かります。
パッと見ただけでどの栄養素が含まれているのかが分かるのは、健康的な食生活を送りたい場合や、ダイエット中にはとてもありがたい事です。
カテゴリー1(糖質)
糖質を多く含む食材です。主に以下の食材が含まれます。
- パン、麺、ご飯
- イモ類(ジャガイモやサツマイモ等)
糖質はご存じの通り、体を動かすエネルギー源になってくれます。トレーニングだけでなく、人間が生きていくうえで糖質は絶対に必要な栄養素です。最近では糖質制限が流行っていますが、制限しすぎるのはよくありません。
「糖質を摂ると太る」とよく言われていますが、それは食べ過ぎた場合に限ってです。カロリー収支がイコールかマイナスになっていれば太ることはありません。
健康的な食生活を送る為にも、しっかりと糖質を摂りましょう。ちなみに、イモ類は糖質だけでなく、食物繊維や他の微量栄養素(ビタミン、ミネラル)も多く含まれている為おススメです。
カテゴリー2(タンパク質+脂質)
タンパク質や脂質を多く含む食材です。主に以下の食材が含まれます。
- 肉、魚、卵、大豆
- 練り製品
- 加工肉
タンパク質は、筋肉や肌、髪の毛だけでなく、内臓や爪など、体のあらゆる部分の原料になっています。タンパク質が不足すれば、肌や爪がボロボロになったり髪の毛がパサパサになったりするのは有名な話ですね。
脂質の不足はビタミンの吸収を妨げたり、皮膚炎を発症してしまったりするため、積極的な摂取をおススメします。もちろん、食べすぎは肥満に繋がりやすいので注意です。
また、カテゴリー2はさらにA~Eの5つに分類されています。ざっくりお伝えすると、以下の通りです。
- 2-A:豆類
- 2-B:貝、甲殻類
- 2-C:魚介類
- 2-D:鶏卵、鶏肉
- 2-E:加工肉、豚、牛
2-Eにいくほど脂質の含有量も増えている傾向にありますね。特に、2-Eに含まれる加工肉(ソーセージやハム)には脂質だけではなく塩分も多く含まれている為、健康な食事やダイエットには向きません。
糖質・脂質・タンパク質は、体を動かすための大切なエネルギー源になります。体にとって非常に大切な栄養素であることから、合わせて三大栄養素と呼ばれています。
カテゴリー3(食物繊維+ビタミン、ミネラル)
食物繊維、ビタミンやミネラルを多く含む食材です。主に以下の食材が含まれます。
- 緑黄色野菜や葉物野菜
- キノコ類
- 海藻類
食物繊維は、腸内環境を改善し、便通を良くしてくれる効果があります。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の改善にも効果がるため、積極的に摂りたい栄養素ですね。また、腸内環境はメンタルヘルスにも関わると言われていますので、心の健康を維持するためにも食物繊維は大切です。
ビタミン・ミネラルは微量栄養素と呼ばれています。よく、ビタミンAとかリン、カリウムなどといった名前を耳にすると思います。微量栄養素は血を作る手助けをしてくれたり、骨の形成を助けてくれたり、神経の働きを助けてくれたりと、人間が生きていくためには欠かせないものです。
微量栄養素に関しては、○〇を摂ればOK!というものではなく、それぞれが大切な役割を持っているため、まんべんなく摂取することが望ましいです。
カテゴリー3の食材たちはカロリーの低い食材たちがほとんどなので、食べ過ぎたら太るかも…という心配をせず食べられるのが大きなメリットです。
カテゴリー4
乳製品です。主に以下の食材が含まれます。
- 牛乳
- チーズ
- ヨーグルト
乳製品に含まれるカルシウムには、骨を強くしてくれる効果があるのは皆さんご存じのとおりです。不足すれば骨粗鬆症のリスクが高まってしまうので積極的に摂りたい栄養素ですね。
また、乳製品にはタンパク質と脂質も多く含まれています。そのため、体を大きくしたい方には使いやすいですが、食べ過ぎれば体脂肪の増加につながりやすいです。
特にチーズはおいしくて食べ過ぎてしまうので気を付けましょう。笑
カテゴリー5(多脂性食品)
脂質を多く含む食品です。主に以下の食材が含まれます。
- サラダ油やごま油、オリーブオイルなどの食用油
- バター、ラード、マーガリン
- ナッツ類
言うまでもなく、脂質の過剰摂取は体脂肪の増加につながりやすいです。しかし、脂質にはホルモンバランスを整えてくれたりビタミンの吸収を助けてくれたり、細胞に潤いを与えてくれたりする栄養素です。
また、体に良い脂質と悪い脂質があるのも有名な話。悪い脂質を摂ると悪玉コレステロール値の上昇などで健康への悪影響が大きいですが、良い脂質には逆に悪玉コレステロール値を下げてくれたり、脳機能を高めてくれたりとメリットがたくさん。そのため、適度な摂取が勧められています。
具体的には、
- オリーブオイル、ココナッツオイル
- 魚に含まれる脂質
- ナッツ類に含まれる脂質
などです。もちろん、これらも食べすぎは体脂肪の増加につながり健康への悪影響も出ますので注意してください。
カテゴリー6(嗜好食品)
果糖という糖質が含まれている食品です。主に以下の食材が含まれます。
- 果物
- アイスやスイーツ
- コーラやサイダーなどの清涼飲料水
果糖とはフルーツに含まれる糖質の一種で、砂糖よりも4倍くらい甘い!なんて言われています。なので、使いやすく加工されてスイーツや清涼飲料水に使われているようです。
果糖は体に悪い!と言われることもあるようですが、それはスイーツや清涼飲料水に含まれる加工されたものの話ではないかなと個人的には思っています。
果物にも果糖が含まれているからダメだ!という方がいますが、果物にはビタミンやミネラル、食物繊維がたくさん含まれているため、厚生労働省も適度に食べましょうと言っています。
加工された果糖を出来るだけ避け、果物に関しては適度に食べて頂くのが良いのではないでしょうか。
カテゴリー7(アルコール)
お酒に含まれる成分ですね。長期的に飲みすぎれば肝疾患、脳卒中、がん等多くの疾患の原因にもなるようです。
また、お酒は太る!と言われていますが、アルコールに含まれるカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、体内に蓄えられないようです。だからと言って、たくさん飲んでも良い!というわけではありません。
あくまでもアルコールのカロリーは体内に蓄えられないと言われているだけであって、お酒自体のカロリーとは別だと思います。お酒には甘い味付けがされていたりするので、その分のカロリーは体内に蓄えられるはずです。
お酒は気の合う仲間と適度に楽しむのがメンタル的にも身体的にも一番いいのでしょうね。
まとめ
カテゴリー1~7まで軽くご紹介してきました。それぞれの特徴を理解しながら、健康な食生活やダイエットなどに役立ててくださいませ。